ドンマイ

『あねとあなた』さんの作品

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『おにぎり』

作 あねとあなた

たっくんは、はずかしがりやです。
おともだちと いっしょに おはなしを することが できないぐらい はずかしがりやです。
だから、しょうがっこうを やすむことが あります。

きょうは、おかあさんが いそがしくて たっくんと あそべないので、
たっくんは しかたなく がっこうへ いきました。

きょうしつに はいると おとこのこたちが キャッチボールを していました。
たっくんも なかまに はいりたかったけど、
はずかしくて 「ぼくもいれて」と いえません。
ほっぺが あつくなって からだが ふるえるのを かんじました。
たっくんは おとこのこたちが キャッチボールするのを ただ みていました。

そのひの きゅうしょくの じかんも なにも しゃべれず、
ゆっくりと、まわりを みながら ひとりで もくもくと たべました。

そのときです。

たんにんの せんせいが
「ごはんが いっぱい のこっています。おかわりしたいひとー?」
と こえを かけました。

でも、だれも おかわりしません。

せんせいは、「それでは、みんなで おにぎりを つくりましょう。」
と いいました。

せんせいが つくりだすと、クラスの こたちも おにぎりを つくりはじめました。
たっくんも たちあがり あとに つづきました。

みんなで にぎると まるい おにぎり、おおきな おにぎり、かたちが くずれてしまうものなど
かたちは みんな ばらばらです。
ところが さんかくの キレイな おにぎりが ひとつ あります。

たっくんの おにぎりです。

みんなは たっくんの おにぎりを みて
「たっくん、じょうずだね。」
と くちぐちに いいました。

「どうやったら じょうずに つくれるの?」
うしろの せきの よしきくんが ききました。
たっくんは ほっぺが あかくなるのを かんじました。
でも、がんばって おはなし しようと おもい
「あのね… てを さんかくに して、てを さんかく……。」
と ちいさな こえで いいました。

せの たかい、たつひでくんが
「たっくん、かおが あかいよ?だいじょうぶ?」
と いいました。 たっくんは しょうじきに
「うん… ぼく、おはなし したいけど… あんまり しゃべるの… へっ、へた。」
いいながら、かおが もっと ポッポッと して しまいました。
よしきくんが
「そっか、はなすのが にがてなんだ。
じゃあ、イエスの ときは コクンて して、ノーの ときは かおを よこに ふれば?」
と いって かおを ふりながら おしえて くれました。

つづいて、たつひでくんが
「おひるやすみに キャッチボールを しようよ。」と いって くれました。
たっくんは、おにぎりを もった てが すこし あがりました。
たっくんは おおきく うなずきました。うれしかったのです。

そして、そのひ、たつひでくんと よしきくんたちと キャッチボールを しました。

ひとつき たつころには、なかよしの たつひでくんや よしきくんの まえでは、
おしゃべりが できるように なりました。

きょうも、たくさん あそんで おなかが すいたので、ごはんで おにぎりを つくりました。
こぶりな さんかくの おにぎりを ほおばりました。
もう、おともだちが いるので、がっこうを やすんだり しません。


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