ドンマイ

『あねとあなた』さんの作品

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『しろちゃんとくろちゃん』

作 あねとあなた

しろちゃんは恥ずかしがり屋の男の子です。
いつも、保育園でお友達と遊ぶ時、しろちゃんは話しません。
でも、「しろちゃん遊ぼ?」
くろちゃんです。くろちゃんはキレイな黒髪の女の子です。
しろちゃんはくろちゃんが大好きです。
「しろちゃん、お砂遊びしよ。」
二人は手をつないでいつも遊んでいます。

ある日、くろちゃんはしろちゃんにいいました。
「しろちゃん、あたしお姉ちゃんになるの。」
しろちゃんはくろちゃんの手を握ってニコニコしています。
そして、一緒におままごとをしました。
その時、くろちゃんは
「しろちゃんのほっぺ、お団子みたい。」
と言って指で“ツンツン”しました。
しろちゃんは大好きなくろちゃんにツンツンされて、ニッコリです。
いつも、いつもくろちゃんと一緒でうれしいしろちゃんです。

秋になりました。
くろちゃんが泣きながら言いました。
「しろちゃん、赤ちゃんが生まれたら、あたしひっこすの」
しろちゃんはいつもどおりにニコニコしています。
それをみてくろちゃんはまた泣いて、しろちゃんとつないだ手をふりほどいて走り出しました。
しろちゃんは悲しくて、眉がハの字になって、口もへの字になっていました。

明日は満月で、保育園でお月見をします。
しろちゃんは眉をハの字にしながら、くろちゃんへお手紙を書きました。
次の日の朝もくろちゃんは手をつないでくれませんでした。
しろちゃんは手をつなぎたかったけど、のどがヒクヒクして言えませんでした。

日が暮れて満月が出ました。
もうすぐ赤ちゃんが生まれるのでくろちゃんは今日保育園を転園します。

しろちゃんはお手紙を持ってくろちゃんの手を自分から初めてつなぎました。
「しろちゃん…」
くろちゃんのほっぺは赤くなっています。
たくさん泣いたからです。
しろちゃんはお手紙を見せました。
「読んでいい?」
とくろちゃんが聞きます。
しろちゃんは眉をハの字にしたまま首をたてにふりました。

くろちゃんは手紙を読みました。
『なかないで、ずっといっしょだよ。』
と書いてありました。

くろちゃんは、
「しろちゃん…」
と目に涙を浮かべました。
しろちゃんは手をつないだくろちゃんの指をほっぺに“ツンツン”しました。

くろちゃんは、泣くのをやめて
「しろちゃん、食べよ」
と言って、持っていたお月見のお団子をくれました。
「このお団子、しろちゃんのほっぺみたい。」と言って二人でお団子を食べました。

しろちゃんはのどをヒクヒクさせながら、「お団子見るたびにぼくのこと思い出してね。」
眉はハの字で口もへの字で目をぐしょぐしょにしながら、一生けん命お話ししました。

くろちゃんは
「うん。」
と言って手をぎゅっと握ってくれました。
しろちゃんの白いほっぺがまあるくはずみました。


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