ドンマイ

『あねとあなた』さんの作品

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『ネコのくろちゃん』

作 あねとあなた

「しろちゃん、おたん生日おめでとう。」
お友だちのくろちゃんが言いました。
そして、黒ネコのぬいぐるみをくれました。
しろちゃんは嬉しくてぬいぐるみをツンツンしました。
しろちゃんはそのネコのぬいぐるみを抱いて寝るようになりました。
くろちゃんからもらったネコのぬいぐるみはしろちゃんの宝物です。
毎日、一緒に寝ます。

九月になりました。
もうすぐ、くろちゃんに弟か妹が産まれます。しろちゃんがいつもどおり保育園へ行くと、
なんとくろちゃんが
「ひっこす」
と言いました。
でも、しろちゃんは何も言えずいつもどおりにこにこしていました。
それを見たくろちゃんは泣いてしまいました。

しろちゃんも悲しくなりました。
悲しくて、ねこのぬいぐるみに話しかけました。
「くろちゃんずっと一緒にいたいよ。」
まゆをハの字にしながらネコにいいました。

すると…
“ピクピク”
なんとぬいぐるみが動きだしてしろちゃんに話しかけました。
「しろちゃん、くろちゃんに気持ちを伝えるんだ。」
今度はしろちゃんが
「上手く言えないよ」
とボロボロ泣きました。
ネコはポゥンとしろちゃんの肩をたたきました。
「手紙を書いてごらん。きっと読んでくれるよ。」
そして、しろちゃんは一生けん命、手紙を書きました。

でも、次の日の朝くろちゃんに話しかけられませんでした。

すると、ネコの声がしました。
「手をつないでごらん。手紙をわたすんだよ。」
言われましたが、しろちゃんは手をつなげませんでした。

日が落ちてきました。

しろちゃんは目がうるんできました。
ネコが
「仕方ない、僕が声をかけるよ。」

空に月が出ました。ネコはくろちゃんの足元にある花壇にかくれて
「ニャー」と鳴きました。
くろちゃんはふりむきました。
その時、初めてしろちゃんはくろちゃんに自分から手をつなぎました。

しろちゃんはくろちゃんに手紙を読んでもらいました。
くろちゃんは目をうるませながら
「しろちゃん食べよ。」
とお団子をくれました。
しろちゃんはのどがヒクヒクしたけれどがんばって
「くろちゃんずっと…」と言いました。
くろちゃんはしろちゃんのほっぺをツンツンしながら
「ずっと、お友達だよ。」
二人は恋人のようによりそいました。

ネコは月と二人を見てウインクしました。


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