ドンマイ

『あねとあなた』さんの作品

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『ゴーゴーれっ車』

作 あねとあなた

子どもべやで男の子がねています。
―――コンコン
音がしました。男の子はまどを見ました。

「こんばんは、あおい君」
青い毛なみのネコがしゃべりました。ネコはつづけて言いました。
「今日はゴーゴーれっ車のたん生日だよ。」
「ゴーゴーれっ車?」

あおい君はれっ車が大好きです。
ネコは
「いっしょにのろうよ。」
と言いました。
「うん」
とあおい君は元気に言いました。

ネコはあおい君の手をにぎって空高くジャンプしました。
「うわー、お星さまがいっぱいある。」
お月さまに手がとどくくらいとぶと
シュルシュルとせんろがでてきます。

そして、水色のれっ車があおい君とネコの前で止まりました。
「さあ、のろう。」

手をつないだままネコと中へ入りました。
れっ車は中も水色です。ざせきやつりかわもすべて水色です。
あおい君はにっこりです。

―――ガタン、ゴトン
れっ車が走り出しました。
あおい君はまどの外を見ながら
「ネコ君、うさぎさんがおもちをついているよ。」
とごきげんです。
ネコもにこにこして外のけしきを見ていました。

その時です。
―――バタン!
と大きな音がしました。ふりむくと白いふわふわした物があります。

「おなかがいたいよ。」
ひつじの男の子でした。
あおい君はしゃがんで
「しゃしょうさんにおくすりをもらおうよ。」
と言いました。

すると、ひつじの男の子は
「むりだよ。だってこわい、おおかみがいるんだもん。」
それをきいたネコは
「おおかみ。こわいよあおい君」
と言いました。だけどあおい君は
「なら、ぼくがおくすりもらいにいくよ。だいじょぶ、ぼく、足早いもん。」
と元気に言いました。

するとネコは
「4つ先のしゃりょうにしゃしょうさんがいるはずだよ。」
と言いました。
ネコにはもうこわさはありませんでした。

「じゃ、しゅっぱつ。」
あおい君はそう言って一つ目のドアを
―――ガシャーン
と開けました。

なんと、そこは森でした。
―――ホー、ホー
ふくろうがいました。

「この先は、おおかみがいるから、いっちゃだめだよ。」
あおい君は
「ひつじ君におくすりをもっていかなきゃいけないんだ。」
と言いました。
それを聞いたふくろうは
「なら、速く走れるように君たちにスニーカーをあげよう。」
とふたりにスニーカーをくれました。
そして
「よく、見ながらすすむんだよ。」
と言って、手をふってくれました。

こんどはネコがドアを
―――ガシャーン
とあけました。

そこは山でした。
―――キッキッー

しっぽの長いさるが二人を見て言いました。
「この先はおおかみがいるから、いっちゃだめだよ。」
あおい君は
「でもねー。」と、わけを話しました。

さるは大きなぼうしを出して言いました。
「なら、このぼうしで、すがたをかくせるようにするんだよ。」
といいました。

こんどは二人でドアをあけました。
―――ガシャーン
―――ムシッ、ムシッ
あつい、あつい、ここはこう野です。
あつくて二人はぼうしをかぶり、スニーカーをはきました。

ネコは何もないこう野を見て、
「あおい君、次のドアをさがそう。」
とかけだすと、

―――ドンッ
「ガルルゥ」

おおかみです。
おおかみはするどいきばを見せつけるように口をおおきく開いて
「なんのようだ。」
といいました。わけを話しましたが、おおかみはおこっています。
ネコはおおかみのするどいつめにつかまってしまいました。

「ごめんよ、はなして。」
と言い、あおい君も
「はなしてあげて。」
と言いましたが
「はなす?それなら、おれとかけっこで勝ったら、はなしてやる。」
と言いました。

あおい君は
「よーし。」
とうなりました。
「あの大岩の所まで先についた方の勝ちだ。」
と言いました。

二人とも、ダッシュで走り出しました。
あおい君はスタートダッシュでおくれました。
でも、
「負けないもん。」
と走りつづけます。
それでもさはひらきます。

―――ムシッ、ムシッ
また、日ざしが強くなりました。
ネコは
「あおい君たすけて。」
と泣いています。

その時
おおかみがポツリと
「ふん、スニーカーなんてなくていいさ。」
といいました。
熱くて足がヒリヒリしていたのです。

ネコがそれに気づきました。
「もしかして、君、スニーカーが欲しいの?」
と聞きました。
「別に、熱いだけだ。」
ネコは
「このスニーカーきみにあげるよ。」
と言いました。
「いらないぜ。」
おおかみはそっぽをむきましたが日ざしが強くて
「あつい」
と言いました。
「大丈夫?帽子、かしてあげるよ。」
と言いました。
おおかみは足を止めました。
「あし、熱いよね。スニーカーはきなよ。」

おおかみはスニーカーをはきました。
ネコはぼうしをあたまにかぶせました。
「お、おいついたぞ。」
あおい君が後からおいあげました。

おおかみは目に涙をうかべていました。
あおい君は、そっとふかくかぶったぼうしをとり、おおかみの顔をかくしました。
おおかみはポロポロなきました。
ネコをはなすと、うれしいと泣きました。
そして、三人でしゃしょうさんのいる車りょうのとびらをあけました。

あおい君たちは、しゃしょうさんに薬をもらい、ひつじ君の所へいきました。おおかみは
「おれ、ひつじと仲良くなりたい。」
と言うと、ひつじ君はうなづきました。

ひつじ君は薬をのんで元気になりました。
まどを見ると空が明るくなってきました。

ネコは
「あおい君、ここでさよなら。」
と言いました。

ゴーゴーれっ車はあおい君のへやの前で止まりました。あおい君は手をふりました。
「また、遊んでね。」
ネコは手としっぽをふりました。
そして、空に消えていきました。

―――チュン、チュン
「お母さん、おはよう。」
お母さんは朝ごはんをつくっていました。
すると、あおい君のせきに水色のおもちゃがあります。

きのう、ゆめで見たゴーゴーれっ車です。
青い毛なみをしたマスコットのネコがうれしそうにゴーゴーれっ車にのっています。
あおい君はうれしくなりました。


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