ドンマイ

『あねとあなた』さんの作品

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『ロミオとアンジュレッタ』

作 あねとあなた

初めて、唇にキスをした。大好きな男の子は今日、お城を出て学校で暮らす。彼はこの国の王子様。 「クリスマスには帰ってくるからね。」と頭を撫でてくれる。

涙を流しながら、毎日一人で寝た。お父様とお母様がいるのに私は淋しくて、“夜尿(おねしょ)”をするようになった。 ロミオに会いたくて、城を抜け出し、お菓子とアクセサリーを持って飛び出した。 アクセサリーと交換で馬車に乗せてもらい学校に着いた。

でも、学校は男子校で、目立っちゃう。すると、グーとお腹の音がした。 振り向くとロミオより少し大きな女の子がいた。
「私、最近転校して来た子の恋人なの。お菓子をあげるから、会わせてくれない?」
女の子は、
「お菓子?でも、生徒さんには会えないわよ。」
と言った。私は、
「どうして?」
すると女の子は、
「ここ男子校だもの。会ったり出来ないわ。私はここへ料理をしに来ているの。でも、今日は失敗して…。」
私は、お菓子を目の前に見せた。
「お腹空いてるけど、言う事聞かないわよ。」
女の子が言う。
「違う。授業の後、売るの。その時、彼を見つける。これは味見用よ。」
女の子は笑って、クッキーを食べた。 他の従業員さんに話をしてくれ、一時間後、校舎の外でクッキーを売り、ロミオを見つけた。ロミオが、
「アンジュレッタ、会いたかったよ。」
抱きしめてくれた。

私はそうして、何度かロミオに会いに行った。 だけど、何度もお城を抜け出して外へ行ったので、見つかってしまい、外出できなくなった。 私はまた夜尿をして泣きながら寝た。 私の夜尿は止まらなくなって、お母様達は、お医者さんを呼んだ。だけど、それでも止まなかった。

ある日、隣国のジャンヌという教育家に、
「男の子も女の子も一緒にお勉強できればいいのに。」
と言ったところ、ジャンヌは、
「私の祖国では男の子も女の子も一緒にお勉強するの。お姫様、王様と妃様に言ってみたらどうですか?」
と言った。私は泣いてしまい、
「私の言う事なんて聞いてもらえない。」
と言った。
「辛くても、何度も言うの。頑張って。」
と言うとジャンヌは、また他の国へ行ってしまった。

「お父様、お母様、男の子と女の子が一緒に勉強できる学校を作って。私、ロミオに会えなくて心がぐちゃぐちゃ…。」
そうして、また泣いた。お父様は、私を抱き上げて、
「ジャンヌに聞いたよ。悲しい気持ちにさせてしまった。城に学校を作ろう。」
と言った。

ジャンヌ、ありがとう。

程なくして、城に学校が出来た。ロミオも、戻ってくる。だけど、町の人達がお父様の事を、
「学校を作るなんて、無駄。王は愚かだ。」
と言った。冬になり、病気が流行り、学校を作った王への評判が下がったのだ。

私は、町の病院へ行ってお手伝いした。病気がうつらないように手を洗い、うがいをした。 病人さんの着替えの手伝いをしたり、身の回りのお手伝いをしたり、病人さんの記録を書いたりした。 その時、病気の快復した患者さんに字を教えた。病院を去る時には、字が書ける人がちらほら出た。 学校も、子供に必要だと分かってもらえた。もちろん、お父様への人気も上がった。

そして、クリスマス。ちょっぴり背の高くなったロミオが、馬に乗って帰ってきた。
「ただいま、僕のお姫様。」
キスする時、パネトーネの香りがした。
「今日から、また一緒だね。」


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